演劇『アシタもおかしいか~アベビバ~』

 北村想さん作・演出の『アシタもおかしいか、~アベビバ~』を観た。北村想さんの戯曲を上演する、名古屋が拠点の劇団「avecビーズ」の最新公演。

 夜中は大雨だったのに、みるみるうちに青空になった楽日。開場後、ロビーに座っておられた北村想さんはひどく消耗してられるようだったが、終わってからはたぶんご満足だったのではないだろうか。穏やかな笑みだった。


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 さっきまで、ミューズが舞い降りていた舞台(終演直後の撮影)。

 始まる前は、背後に海が見える或る家の座敷で、卓袱台があり、椅子が1脚、ラジカセを載せた箪笥、窓際には風鈴、上手には、仏壇のような場所がなぜか3か所(それは、劇が進むにつれ解明されるのだが)、観客に近い下手に、旅行用の大きなスーツケース(これも、劇の進行で大きな意味を為す小道具)が置かれていた。

 父親が同じの2姉妹と、母親が同じの2姉妹、それぞれ両親の遅い結婚で暮らしを同じくしてきたが、その末娘の結婚披露宴を終えて3姉妹が帰宅したところから話が始まる。ところが、末娘は或る理由で新婚旅行にも行かず直帰、結婚式の面倒まで見てくれていたはずの叔父の借金問題、また、その叔父の元・妻が現れてのすったもんだ…。

 踏んだり蹴ったりのホームドラマなのに、もう、可笑しくて、でも、どこか切なくて(極上のユーモアと、湿りのないペーソスは北村想さんの得意技!)、そして、いつもながら、現代を撃つ批評や皮肉(これもまた、北村想さんならでは)にずきっときたりで、約1時間30分はとても濃密な時間だった。潔い!そう思った。会場は満席、笑いと親密感にあふれて…。

 北村想さんの演劇では、どんな下ネタやお笑いネタが出てきても、最後には、ぴっと澄んで深い青空か、もしくは、しみじみと胸をきゅっと鳴らす夕焼けの空が浮かび上がってくるのは何故だろう。とんでもなく美しい何か。社会の病態や横暴な権力にいじめられている人々を見つめる、一点の曇りもない目、そして、アクロバットのような言葉。

 演劇とは闘いである。闘うことで身をすり減らし、それでも顔を天に向けている人たちがそこにいた。

 おおきに!でした。

http://blogs.yahoo.co.jp/avec_beads/50109454.html

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この記事へのコメント

2010年03月03日 22:31
avecビーズです。
感想ブログをありがとうございます。
猫式部さんの感想に励まされました。
どもども。
猫式部
2010年03月03日 23:05
たぶん、まだお疲れのところ、コメントをありがとうございます

来年もまた行かせて頂けるよう、体力ほか、もろもろを鍛えておきます。

おおきに!です。

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