「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす…」という平家物語で有名な沙羅双樹。目の当たりにすることは少ない樹木をどどどーんと目の当たりにできるのが、京都の妙心寺内にある東林院である。 お仕事で、宿坊として利用されているこの東林院を取材した。ありましたー! 樹齢約250年の古木(右)は枯木となっているが、大きな数珠がかけられ、大切に保存されている。元気な沙羅双樹(左)のほか境内にはあっちにもこっちにも。 花の季節には、こうなるんだって!(パンフレットから) ゆで卵のお花のようで実に可憐だ。毎年6月15〜30日は「沙羅の花を愛でる会」が催され、精進料理や抹茶が味わえるという。 街中にあるのに、静寂感あり、夜には虫の声や風の音ぐらいしか聞こえないという。ご住職にお会いしてお話を伺う。宿坊内には、電気や水を大切に使いましょう、という指示があちこちに。そういうことに不満をもらす宿泊客も時々いるそうだが、サービス業でなく、宗教活動の一環としてやっているのだから、できるだけ宿坊のルールを理解してほしい、精進料理も、電気や水を効率よく使うということも、すべての命を尊ぶというところから来ているのだという。また、朝のお勤め参加や座禅、写経などはここでは行っていない。「そういうものは、たった一回体験したからといって、何の意味もありません」と、一刀両断。なるほど! 最初は気難しそうな感じだったけど、時間とともに喋り出したら止まらない感じになってきて、世間話も含めていろいろ楽しい時間になった。なぜか、お会いした最初と最後で全く印象が違うこういう方にお会いできることが多く、ラッキーだなとしみじみ思う。 門限午後9時で、消灯10時である。お風呂・トイレ共に共同で、部屋にはテレビも電話もなし。電子音が飛び交う現代だからこそ、「ただぼんやりと、何もない贅沢を味わってほしい」という。 沙羅双樹の庭のほかにも、奥にはみごとな枯山水の庭園もあり、ご住職手作りの精進料理と共に、日常から離れたゆったりとした時間を満喫できそうだ。 あなたに素敵がいっぱいありますように。 |
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ないものねだり、というのが人間の欲望の本質とするなら、今の我々はまさに『何もない不便さ』を堪能できる事こそ、最高の贅沢ですわね。 |
よろづ屋TOM 2010/09/16 13:34 |
TOMさん、まいどー! |
猫式部 2010/09/16 17:03 |
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